新城さん、晴れ舞台 ニッセイ賞受賞に喜び


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インタビューで喜びを語る新城栄徳さん(右)=27日、東京都の日生劇場

 【東京】舞台芸術の優れた裏方を表彰する「第21回ニッセイ・バックステージ賞」(主催・公益財団法人ニッセイ文化振興財団)に選ばれた沖縄芝居の舞台美術制作者・新城栄徳さん(77)への贈賞式が27日、東京都の日生劇場で行われた。会場には東京沖縄県人会会員らが駆け付け、壇上に上がった新城さんを祝った。新城さんは「演劇は戦前唯一の娯楽だった。これからも関係者と協力してやっていきたい」と語った。

 新城さんは戦前の風景を描いた絵を基に、沖縄芝居のほとんどの劇団の舞台美術を制作し、運搬、設置までを一人でこなしている。本年度は全国から51人推薦され、新城さんと狂言作者の竹柴正二さんが選ばれた。
 審査委員代表の高田一郎氏(武蔵野美術大名誉教授)は「沖縄の人は芸能が好きで、歌や踊りで表現することにたけている。新城さんは戦争で失われた沖縄の風景、空間を色鮮やかによみがえらせた。それを今も現役で続けている」と評価した。新城さんには賞状と記念品、賞金100万円と年額50万円の終身年金が贈られた。(山川夏子通信員)