100年後、椿の森に 読谷・楚辺住民、入会地に植樹


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飛び地の財産地でツバキを植樹する読谷村楚辺の住民=22日、読谷村座喜味

 【読谷】「育てよう椿の森 百年の恋」をテーマにした植樹祭(椿の森を実現させる会主催)が22日、村楚辺の飛び地で財産地である座喜味の横田屋原で行われた。楚辺集落の住民約70人が参加して100本の苗木を植え付け、将来ツバキが生い茂る森を思い描いた。

 主催団体の実現させる会」は昨年5月に発足した。会員が自宅で1年半にわたって苗木の育成に取り組み、この日の植樹となった。会場の横田屋原は村内のアロハゴルフ場に隣接する土地。まき取りなどで楚辺住民が利用してきた入会地として受け継がれてきた。
 実現する会の我謝孟正会長は「横田屋原は祖先が大事に残してくれた緑豊かな土地。100年単位でものを考えようと取り組んだ。子や孫には花をめで、種は油など加工品にして地域おこしに役立ててもらいたい。最低でも千本は植えたい」と話した。
 この日植えたのはヤブツバキで、沖縄椿協会の会員、田島勝さんによると「ツバキはビタミンEなどの含有成分も豊富。沖縄ではもともと自生していて、防風林として役立てられた。県内の産業としても前途有望で植樹が各地で行われている。これを機に20年かけて沖縄をツバキアイランドにしたい」と話した。
 楚辺自治会の池原隆区長は「子や孫にこういう形で土地を託していくことは意義あること」と話し、植樹に汗を流した。