名護小中生58%、騒音「ある」 米軍機影響、渡嘉敷琉大准教授が初調査


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 【名護】琉球大学工学部の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)が、名護市内の小中学校15校を対象に実施した米軍機などの騒音に関するアンケート結果を4日、発表した。授業中に飛行機やヘリコプターの音が気になったことがあるかとの質問に「よくある」と「ある」と答えた割合は58%に上った。自由記述欄は「騒音で眠れない」など、苦情を訴える声が相次ぎ、子どもたちが米軍機などの騒音に悩まされている現状が浮き彫りになった。小中学校を対象にした米軍機などの騒音アンケートは県内で初めて。

アンケートは2014年3月に実施。市教育委員会の協力で市内の小中学校21校にアンケートを配布し、15校の1754人から回答を得た。基地所在市町村の学校での騒音調査研究の一環で、米軍普天間飛行場の移転先とされるキャンプ・シュワブがある名護市での現状を把握することを目的とした。
 オスプレイとほかの航空機ではどちらがうるさいかとの質問には、73%がオスプレイと回答。オスプレイの音を聞いて怖いと思ったり嫌な気持ちになったりすることがあるかとの質問には「よくある」13%、「ある」25%、「あまりない」27%、「ない」34%、無回答が1%だった。
 自由記述欄では「耳にゴーンと音が入ってくる」「先生の声が聞こえない」という率直な感想や「落ちてこないか不安」との声が上がった。
 中には「辺野古に基地ができたら毎日騒音に耐えなければならない」「ヘノコに基地は造るな」と新基地建設への反対の意見もあった。「先生たちに何か言っても何とかできないんでしょ」という声もあった。肯定意見もあった。
 意見に対し渡嘉敷准教授は「予想よりも際立っている」と指摘。「騒音の感じ方は主観的で、物理的な数値では示すのは難しい。大人よりも耳のいい子どもたちの声は貴重な資料だ」と話した。市内全域から声が上がったことに「全域が訓練エリアになっている」と指摘。「(普天間飛行場の)移転前でもこうだ。新たに基地ができるとさらに騒音が増える」と話した。