いじめ対策で常設機関 県教委が6委員委嘱


社会
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いじめ防止について意見交換する委員ら=16日午前10時半ごろ、県庁

 いじめ防止に関する調査研究や、県立学校でいじめの重大事態が起こった際に調査する「県いじめ防止対策審議会」が16日発足した。同日、県庁で開かれた第1回会合では、委員らがいじめ防止について意見交換した。審議会委員として大学教授や弁護士、警察OBの6人に委嘱状が交付され、沖縄国際大学の上田幸彦教授が会長に選出された。委員の任期は2年。

 審議会は県教育委員会の付属機関で、通常はいじめ防止に関する調査・研究をして県教委に提言などを行う。児童生徒が自殺しようとしたり、精神性の疾患を発症したりする重大事態が起きた際に調査する機能も兼ねる。これまでこれらの機能を持つ常設機関は設けられていなかった。
 2014年度の県内のいじめ認知件数は13年度から469件増の1029件で、千人当たりの発生件数は5・1件となっている。全国の13・7件より少ないが、県教委は「『件数が多いから悪い』ではなく、積極的にいじめを認知して解消したい」と説明した。
 県教委は、県立高校からインターネット上でのいじめに関する相談があることを報告した。琉球大学教授の近藤毅委員は、ネットの普及でいじめが巧妙化していると指摘し「いじめの進化に学校はついていけているのか」と問題提起した。
 このほか委員の委嘱を受けたのは弁護士の伊志嶺公一氏と臨床心理士の国生まゆみ氏、沖縄国際大学の比嘉昌哉准教授、元県警本部生活安全部長の前泊良昌氏。