コザ猛追及ばず 日川に19―38 全国高校ラグビー第2日


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1回戦 コザ―日川 後半3分、トライを決めるコザの又吉恒太=28日、東大阪市の花園ラグビー場(大城周子撮影)

 第95回全国高校ラグビー大会第2日は28日、東大阪市の花園ラグビー場で1回戦の残り14試合が行われ、県代表のコザは日川(山梨)に19―38で敗れ、2大会連続の初戦突破はならなかった。県勢の初戦敗退は4年ぶり。

記念枠の筑紫(九州・福岡)は初出場の東京朝鮮高(東京第2)を26―19で下し、24大会ぶりの勝利を挙げた。前回大会4強で今回は記念枠の京都成章(近畿)は34―7で日本航空石川を退けた。大分舞鶴は岡谷工(長野)に43―20で勝ち、関西学院(兵庫)なども2回戦に進出した。初陣の函館ラサール(南北海道)は長崎北陽台に12―42で敗れた。30日の2回戦では前回覇者の東福岡をはじめ、シード9校が登場する。

◆初戦で伝統校の壁
 後半15分、コザがLO友寄裕貴のトライとゴールで同点とした。だが、歓喜はわずか3分でため息に変わる。密集からの素早い展開で日川にトライを許し、14点差からの追い上げもここまで。動きが硬くなったところをさらに2トライで畳み掛けられた。コザフィフティーンは伝統校の壁を越えられなかった。
 滑り出しは良かった。前半7分にCTB松井陸人が先制トライ。FWの強い相手に対し森東俊志コーチは「体を張り、きっちり技術で止めていた」と語り、攻撃では松井、SO又吉恒太、FB普久原虎の3人で守備ラインを突破するのもプラン通りだった。前半で14点のリードを許した後も慌てず、後半3分に又吉、15分に友寄と連続でトライを決めて試合を振り出しに戻した。
 「普段の生活などのちょっとした甘さがラグビーにも出たのかもしれない」と森東コーチは言う。敵陣深く攻め込みながらトライ寸前で反則を取られる場面が何度かあり、得点直後に隙を突かれての失点も響いた。當眞豊監督は「経験値の差もある。県予選後に強豪校ともっと実戦ができれば」と離島県が抱える遠征のハンディも挙げた。
 主将の松島颯は「接戦で負けるのは大差より悔しい。自分たちの強みは出せたし、負けていなかった」と言う。聖地で得た手応えと悔しさをどう生かすか。「小さいやつが弱いと誰が決めた」を信念とするコザラグビーは、まだ進化の途上だ。(大城周子)