記録的寒さ、なぜ? エルニーニョ弱まり寒気南下


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 沖縄本島で初のみぞれが降り、各地であられなどが確認された異例の寒さの背景について専門家は25日、昨年から続いている、海の水面温度が異常上昇するエルニーニョ現象の影響を指摘している。

 気象予報士の仲宗根朋美さんは「昨年から続くエルニーニョ現象で寒気が南下するのが妨げられていた」と解説する。昨年11月をピークにエルニーニョの勢いが少し落ち着き、寒気が南下しやすい環境となった。そのタイミングで大きく蛇行した偏西風とともに北にたまっていた寒気が一気に流れ込んだという。
 仲宗根さんは「通常だと九州の南までしか届かない寒気が、沖縄まで影響を与えた。例年にないこれだけの気象現象は、強いエルニーニョ現象が影響しているだろう」と説明した。
 24日に雲の様子を観察した琉球大学理学部物質地球科学科の山田広幸准教授は、北海道や日本海沿岸で見られる雪を降らす筋状の雲と同じ雲を沖縄の上空で確認した。「降雪地域で見られる、冷たい上空と暖かい海にできる特徴的な雲を観測した。雲の規模も寒い地域で見られるそれと同じだった」と振り返る。
 沖縄で雪が一部地域でしか観測されていないことに関して「沖縄近海の水温が高いため、上空で雪として降っても地上に着くまでに解けてしまう。あられは雪に比べ滞空時間が短いので、解けずに地上に降ってきた。あられの目撃情報が多かったのも、そこが起因している」と分析した。