伝統棒術、継承へ議論 八重瀬でシンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【八重瀬】地域の伝統文化を評価し、継承や保存の課題について考える「シマdeシンポジウム 地域の棒術×しまくとぅば」(主催・県、県文化協会)が13日、八重瀬町中央公民館で開かれた。棒術保存会の代表者らが登壇し、地域に伝わる伝統の棒術について、現状と課題を報告した。「後継者不足が課題」「途絶えた型を復活させたい」などの声が上がった。

 玉城義彦さん(東風平棒術保存会)は、備品やユニホームをそろえるなどして会員を増やす取り組みを紹介し、「途絶えた型の復活が課題」と話した。後継者不足を課題に挙げたのは、宮城幸一さん(南城市津波古棒術保存会)。さまざまな行事で棒術を披露する機会を増やすことで活性化したことを報告し、「今後も県内外に棒術の魅力を発信したい」と述べた。
 屋我平栄さん(読谷村座喜味棒術保存会)は「中学生が約20年、県外で交流事業を継続している」と報告した。親川仁志さん(沖縄空手道少林寺流振興会)は「地域に伝わる棒術は多いが、いつから演じられているかの記録や文献が少ない」と指摘した。進行役の神谷武史さんが「2020年開催の東京五輪開会式で棒術を披露できれば、伝統文化の魅力発信につながる」と呼び掛けると、会場からは拍手が起こった。
 シンポジウム前には、町内外から棒術保存会12団体が出演し、地域に伝わる棒術を披露した。

伝統の棒術について現状と課題を報告した登壇者=13日、八重瀬町中央公民館
   神谷武史さん