島尻氏の推薦未決定 公明県本は「県外」主張


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 島尻安伊子沖縄担当相が28日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を支持する立場で夏の参院選に臨む考えを示した。普天間返還・移設問題が最大争点の一つになる中、今後焦点となるのが公明党との選挙協力の行方だ。島尻氏に対する公明党の推薦がまだ決まっておらず、連携を打ち出す自民党県連は気をもんでいる。普天間返還・移設問題で国外・県外移設を求める立場を堅持する公明党県本の今後の対応が注目される。

 参院選で自民は公明に対し、改選数1の1人区を中心に全国38選挙区で擁立する公認候補40人への推薦を求めている。公明は今月7日までに35選挙区37人の推薦を決めたが、島尻氏にはまだ出ていない。
 背景には公明県本が掲げる普天間返還・移設問題での立場の違いのほか県出身でダンスボーカルグループ「SPEED」の今井絵理子氏(32)が自民の全国比例で出馬するため、県内の比例票が自民に流れる懸念が公明側にあることなどの事情が絡む。県内では重要選挙となる県議選が先に控えていることもあり、協力調整には時間を要しそうだ。
 島尻氏は23日、公明の推薦について「政党間で話が進んでいると聞いている。いずれにしても自公の体制はつくっていきたい」と連携の必要性を強調した。自民県連内には「このままずれ込むと選挙戦に影響は出てくる」との懸念もある。
 公明県本は辺野古移設に反対の立場から2014年の名護市長選や県知事選を自主投票とし、自民との関係にしこりが残った。だがことし1月の宜野湾市長選では県本が自民の推す現職を推薦して再選に導き、自公体制の“復活”を印象付けた。
 参院選では政府が進める辺野古移設の是非がより直接的に問われる。そのため、自公で政策を擦り合わせる上でも、宜野湾市長選で双方が一致できた「普天間の危険性除去」より踏み込んだ対応が求められそうだ。
 6月の県議選に向け、自公は各選挙区での協力に向けた調整を続けている。県本幹部は「まずは県議選がある。参院選についても党本部との調整はこれからだ」と語った。(当山幸都)