沖縄がん情報 8割把握、HPで公開


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 県在宅医療人材育成・質の向上センター(増田昌人センター長)はこのほど、がんと診断された人の数や治療の経過を各病院が登録する「院内がん登録」を集約した「2013年院内がん登録集計報告書」をまとめた。報告書は10年版から毎年まとめられているが、初めて、県内の16医療機関から院内がん登録のデータが提供された。それにより、県内のがん罹患(りかん)数の8割以上がカバーされた。

 これまでの報告書は、県がん診療連携拠点病院3施設(琉球大学付属病院、県立中部病院、那覇市立病院)のデータに限られ、カバーされていた罹患数は4割ほどだった。
 16医療機関は、13年に県内で院内がん登録をしていた全ての施設。増田センター長は「どの医療機関に、どのようながん患者が多いなど、県内のがん診療の現状がより正確に把握できるようになった。患者にとって有意義な情報になっている」と話した。
 報告書は、県内で罹患が多いがんを中心に、胃、大腸、肝臓、肺、乳房など10種のがんについてまとめられている。それぞれの種類について、病院別に(1)登録患者の年齢階級(2)発見経緯(3)治療前のがんの進行度(ステージ)(4)治療後のステージ―などが分かる。がん種別に統計学者と臨床医からのコメントが掲載されている。
 16医療機関を病院別に紹介する項目も設けられた。各病院の診療案内やがん相談の窓口、患者同士の交流の場などが紹介されている。報告書は、同センターの他に、琉球大学付属病院がんセンターと県がん診療連携協議会がん登録部会との共同発行。協議会のホームページhttp://www.okican.jp/index.jspからも閲覧できる。