沖縄県内地銀3月期決算 純利益28%増 好調な県経済反映


この記事を書いた人 新里 哲

 県内地銀3行(琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行)の2016年3月期決算が13日までに出そろった。日銀が2月に導入したマイナス金利政策や競争激化による貸出金利の引き下げ圧力は強まるが、利ざやの低下分を上回る形で貸出金が伸長し、売上高に当たる経常収益は3行全体で前期比5・7%増の1238億5300万円となった。経常利益は0・6%増の241億5700万円、当期純利益は28・9%増の192億9千万円と利益も増えた。

 貸出金は、好調な観光関連や住宅需要と連動した不動産や建設、小売業だけでなく、医療・福祉など幅広い業種に広がり、拡大基調にある県経済の資金需要を反映した。企業の業績改善により、経費面でも与信費用が減少した。
 ただ、マイナス金利の導入により、国債利回りが低下するなど直近の収益環境には厳しさもある。各行とも満期償還を迎えた国債の買い替えが進まず、有価証券残高は減少している。2017年3月期の業績予想では、マイナス金利の影響を加味して減益を見込む銀行もあった。
 銀行の規模を示す総資産は3行全体で2・2%増の5兆160億8千万円となった。