沖縄モノレール初黒字 乗客増で収入伸長 15年度決算


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄都市モノレール(美里義雅社長)は27日、2015年度決算を発表した。乗客数の増加により運送収入が伸長し、売上高に当たる営業収益は前年度比10%増の33億3206万円、経常利益は3300万円となり、営業損益は2億2001万円、経常損益は3329万円の黒字になった。営業、経常損益が黒字となるのは03年の開業以来初めて。一方、当期純損益は減価償却費の負担などから赤字が続く。モノレールの浦添延伸に伴い、県と那覇市、浦添市が増資を行ったため債務超過額は初めて減少に転じた。

 浦添ルート延伸について、首里から石嶺までの部分開業について同社は「部分開業するメリットがなく、現時点では全面開業に向け(工事などを)進めている」と改めて部分開業を否定。一方で「今後、状況に変化があれば、その際は再度検討したい」と述べた。

 乗客数は1615万6902人を記録し、開業以来、初めて1600万人台を突破。1日平均乗客数は4万4145人と過去最高だった。IC乗車券「OKICA(オキカ)」の販売増加に伴い、客単価が上昇し、運送収入は前年度比10・9%増の31億7900万円だった。

 減価償却費は5・1%減の11億2862万円、車両などの修繕費は4・7%減の6億3613万円となった。モノレール延伸に伴う駅監視装置など既存設備の更新により、5357万円を除却費用として特別損失に計上した影響もあり、純損失は2103万円の赤字となった。赤字幅は14年度の5億4738万円から大幅に縮小した。