泡瀬小児童の登校 安全に 中央米穀・職員、学校から感謝状


社会
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 【沖縄】「おはよう」「おはようございます」―。登校時間の午前8時ごろ、沖縄市立泡瀬小学校付近の道に、声掛けに応える児童たちの元気な声が響く。「横断中」と書かれた黄色の旗を手に見守り活動をするのは、米穀類の卸販売を手掛ける中央米穀(沖縄市泡瀬)の職員たちだ。社長の比嘉治さん(54)が学校付近での交通事故を度々目撃したことがきっかけで始め、2011年から毎朝続けている。

 中央米殻は、10年に泡瀬の大通り沿いから学校まで徒歩1分ほどの場所に会社を移転した。学校の前には水路沿いに一方通行の道路が走る。住宅街で見通しが悪い交差点や、優先道路が分かりづらい場所もある。比嘉さんは「移転してすぐに近所で2、3回交通事故が起きた。私も職員も人の親。子どもが心配だった」と始めた理由を説明する。

 曜日の担当を決め、毎日2人の職員が学校周辺の2カ所に立つ。時間は午前7時半から8時15分まで。警察署が支給する「交通安全」と書かれた黄色のジャケットを身に着ける。子どもが道路を横断する時に道路で旗を掲げて車を止め、運転手に頭を下げる。

 「いつも私たちのために朝の登校を見守ってくださりありがとうございます。おかげで毎日安全に登校することができました」。事務所には、児童たちから送られた感謝状が飾られている。校長、PTA会長からも贈呈された。

 宮城和也校長は「学校周辺は住宅街だが、車が多い。地域の事業者が子どもの見守りをしてくれるというのは非常にありがたい」と感謝を込めた。

 比嘉さんは「事業者は長く会社の場所は変わらないので、継続的にこういう活動ができる。いろんな地域で広まってほしい」と呼び掛けた。

中央米殻の職員に見守られながら登校する泡瀬小の児童たち=8日午前8時ごろ、沖縄市泡瀬
児童から贈られた感謝状を手にする中央米殻の比嘉治社長