米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)倉庫群の移転先とされる米軍嘉手納弾薬庫を抱える沖縄市の桑江朝千夫市長が8日、県庁で翁長雄志知事と面談した。桑江市長は移転計画について、受け入れを検討する「判断材料」として知事の考えを聞きたいと述べた。翁長知事は「嘉手納より南の返還・統合計画は基地負担の軽減、発展のために確実に実施されるべきだ」と述べ、倉庫群の県内移転を基本的に容認する考えを示した。
桑江市長は知事との面談で、政府から移設を正式に打診されて以降の経緯を説明した。
同市は移設先に近い市北部4自治会への意見聴取や沖縄防衛局からの説明を踏まえ、受け入れを検討してきた。
桑江市長は移設に反対はしていないものの、河川の氾濫や渋滞が新たに発生する懸念に触れ、防衛局の説明では「納得していないところが多々ある」とも強調した。
翁長知事は「嘉手納より南」の計画自体は支持すると説明したが、桑江市長が説明した懸念には「政府は地元の意向に十分に配慮してほしい。諸課題の解決も、説明責任を含めて環境整備を行うなど、しっかり対応してほしい」と理解を示した。
桑江市長は面談後、記者団に「知事が基地の整理縮小にどれだけ積極的なのかを聞いた。知事が話したことは、関係者の皆さんに報告して判断していく」と述べた。
市側が指摘する移設計画への「課題」解決に県と協力して取り組むかは「具体策はこれからだ」と述べるにとどめた。