航海記初版など公開 バジル・ホール展開幕


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バジル・ホールの来琉200年を記念し、航海記やペリー艦隊遠征記などが展示された企画展「異国人のみた琉球」=6日、首里城公園黄金御殿特別展示室

 首里城公園で7日、バジル・ホール来琉200年記念企画展「異国人のみた琉球」が始まった。英国軍艦ライラ号のバジル・ホール、その後のサマラン号、そして米ペリー艦隊と、それぞれの航海記の初版本とその挿絵などを展示して、19世紀の異国人の目に琉球がどう映ったのかを多角的に紹介している。同公園有料区域内の黄金御殿特別展示室で12月14日まで。大人820円。

 1816年に40日余り琉球に滞在したホールの航海記「朝鮮・琉球航海記」(18年刊)はヨーロッパ各国で翻訳され琉球ブームを起こした。その初版本(沖縄県立図書館蔵)を、鮮やかな挿絵と共に展示している。

西欧人の琉球への興味を高めた(左から)徐葆光の「中山伝信録」とバジル・ホールの航海記

 また、43年に来航して宮古・八重山も訪ね、石垣島で摸写した聖獣白澤(はくたく)の絵があるベルチャー艦長による「サマラン号航海記」(琉球大学付属図書館蔵)も展示。摸写された白澤図の手本となった可能性のある17世紀の琉球の絵師、自了による「白澤之図」(県指定有形文化財)も見ることができる(11月5日からは複製品を展示)。

 52~55年に琉球と日本に遠征したペリーの「ペリー艦隊日本遠征記」(那覇市歴史博物館蔵)とその多数の挿絵、琉球を紹介した当時のヨーロッパの新聞も展示している。

 問い合わせは(電話)098(886)2020。