県内投資の窓口一元化 県、海外企業に情報提供 ビジネス交流加速へ


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 沖縄県は2017年1月までに、海外企業の県内投資や立地、商取引に関するサポートを行うワンストップ相談窓口「サポートデスク」を設置する。関連機関の窓口を一元化して海外企業を支援する“コンシェルジュ”機能を有するのが特徴で、地方自治体による取り組みは全国でも珍しい。県が策定したアジア経済戦略構想推進計画の重点施策に掲げる「ビジネス・コンシェルジュ沖縄」の本格稼働に向けて、海外と沖縄のビジネス交流を加速させる。

 サポートデスクでは、沖縄の経済特区や融資・支援制度など投資環境に関する情報を提供するほか、ビジネスパートナーになり得る県内企業の紹介、法人設立や行政手続きに関する助言を行う。

 海外企業が県内に拠点を設置した後も継続してサポートする。外国人幹部や高度技術者の在留資格取得に関する助言を行うほか、医療や教育など生活全般のサポートも想定している。

 現在、海外企業から問い合わせがある場合、県庁各課や海外事務所、県産業振興公社、日本貿易振興機構(ジェトロ)など各機関が個別に対応しており、総合的な支援が課題とされる。

 サポートデスクのコンシェルジュ機能を強化するため、行政や経済団体、研究機関、各専門家によるネットワーク組織を構築して支援策や情報を一元化する。各分野の専門家・団体と連携して全方位的なサポート体制を整える。

 観光や投資、立地に関する県内情報をワンストップで提供する多言語対応のポータルサイトも作成する。日本語と中国語、英語で対応可能な専門スタッフをデスクに配置する。

 サポートデスク事業は県予算約2400万円を活用し、産業振興公社に委託して実施する。同公社の中国・北京や上海、香港、シンガポール、台北の計5カ所の海外事務所、海外委託駐在員などの海外拠点を、一次相談窓口として活用する。

 海外事務所では海外企業の進出・投資に関する案件や、当該企業の現地評価、投資家の動向などの情報収集も行い、県内投資環境の改善につなげる。

 同事業を統括する産業振興公社の古堅勝也産業振興部長は「海外企業が進出すれば、県内企業とのビジネス連携が生まれ、産業の裾野が広がる。継続的な質の高いサポートで海外企業による投資環境を整備したい」と話した。(宮城征彦)