「米に影響及ぼさず」で覚書 65年、沖縄援助めぐり日米協議


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 【東京】外務省は12日、外交文書24冊を一般公開した。沖縄関係は1冊。日米両政府が1965年、米国施政権下の沖縄への経済援助を話し合う「日米協議委員会」の機能拡大した際、「合衆国の権利に影響を及ぼさない」と記した不公表の覚書を、米側が日本と協議した上で作成したことが分かった。米国の施政権に変更を及ぼさないよう日本側にくぎを刺す狙いがあったとみられる。

 沖縄の日本への施政権返還に向けた作業が進む1970年、米軍基地従業員の大量解雇問題について、米側が日米協議委員会で取り上げることを避けていたことが分かった。外務省の極秘メモに「正式の議題としては取り上げられたくないとの意向」と記される。

 57年9月23日の藤山愛一郎外相とダレス国務長官との会談録によると、藤山外相が沖縄の教科書を日本の基準で選定したい意向を伝えたが、ダレス長官は沖縄の教育権の移管には難色を示していた。その後の佐藤政権で、沖縄の日本返還に向けた取り組みを巡って教育権の分離先行返還が取りざたされたが、立ち消えになった経緯がある。(仲村良太)