14年はえ縄切断、示談成立 米軍関与は曖昧


この記事を書いた人 志良堂 仁

 2014年に沖縄県内のマグロはえ縄漁船のはえ縄が切断され、米軍の音響測定艦インペッカブルの関与が疑われていた問題で、沖縄県漁業協同組合連合会(上原亀一会長)と、米軍から委託を受けて船を運航していたデンマークの民間海運会社の間で示談が成立したことが23日までに分かった。米艦の関与は明確にせず、漁業者請求額の4割に当たる約500万円で示談した。県漁連は同日、被害を受けた漁業者に対し、配分を決める協議を早期に開くことを伝えた。

 マグロ漁船のはえ縄切断は14年5月から6月にかけて発生した。県漁連は9隻の被害状況を取りまとめ、漁具被害などの財産賠償約452万円、漁具被害の影響による休業賠償約711万円の計1164万円を請求していた。

 これに対し海運会社側は米艦船の関与は明らかにしていないが、16年3月、漁具被害額の8割、計362万円を支払うと提案した。漁業者側は示談内容を不服として再交渉していた。

 16年12月には約500万円に増額された示談金が再提示された。漁具被害分などは全額認められたことから、県漁連は4日付で合意することを伝えた。