沖縄振興へ文化発信 クールジャパン推進会議 方策や課題議論


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 クールジャパン推進会議in沖縄が4日、那覇市の沖縄都ホテルで開かれた。クールジャパン戦略担当の鶴保庸介沖縄担当相や浦崎唯昭副知事、お笑い芸人のゴリさん、空手の沖縄劉衛流龍鳳会の佐久本嗣男会長、琉球舞踊家の神谷武史さん、県酒造組合の玉那覇美佐子会長ら各分野の第一人者が集まり、沖縄振興へ文化をより効果的に発信する方策や課題を議論した。

沖縄の文化を発信する方策などについて議論するクールジャパン推進会議のメンバー=4日、那覇市の沖縄都ホテル

 ゴリさんは「おきなわ新喜劇」というお笑いを通じて沖縄文化を発信する自身の取り組みについて紹介した。「独特の文化も知識として持って帰ってほしいと思い、おきなわ新喜劇を立ち上げた。笑いながら沖縄のことを知ることになる」と話した。

 琉球びんがた事業協同組合の屋富祖幸子理事長は、ワシントンで開催した「紅型ワークショップ」について紹介し「沖縄には多くの伝統工芸がある。ワークショップを通じて、見せるだけではなく体験させることで興味を持ってもらえる」と話した。

 元県立芸術大学学長で県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」保存会の宮城篤正相談役は空手の可能性について「平和を愛する心を育てるのが空手の魅力だ。先人が築いた文化を正しく継承するために、関係者が努力しなければならないのは、県民に沖縄空手のよさ、歴史を知らしめる努力が必要で、その上で世界に発信する仕組みづくりが必要だ」と提言した。

 沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長は沖縄の魅力として「地理的優位性」を挙げ「沖縄から半径3千キロ圏内に20億人のマーケットがある。そして、交流と物流をIT(情報技術)でつなげることがさらに沖縄の魅力を増やすことににつながる」と話した。

 舞踊家で八重瀬町役場の職員でもある神谷さんは伝統芸能だけでは生活が難しい現状を指摘。「文化のコンテンツを担う上で二足のわらじは過重だ。子どもが夢を持てる仕事にしなければ、いずれ琉球芸能は廃れる。危機感を持って道筋をつくるべきだ」と語った。