【沖縄】ビワの沖縄県内生産量のほとんどを占める沖縄市で、その収穫がピークを迎えつつある。生産農家らが29日午前、沖縄市役所に桑江朝千夫市長を訪ね、最上級の2Lサイズをプレゼントした。JAおきなわ美里支店果樹生産部会の島袋秀吉会長は「露地ものの沖縄産は、ことしも味が濃く、素晴らしい実が実った」と報告した。
黄金色の果実を頬張った桑江市長は「おいしい。早くネーミングも考えた方がいい」と市ビワのブランド化を提案した。
市内の15農家が2月中旬から収穫を開始。ことしは例年並みの4トンの収穫を見込む。県外産地はハウス栽培がほとんどで収穫は4月から。露地ものの県内産は「日本一早い露地もののビワ」として、ほぼ全てが東京や大阪に出荷され、贈答用として高値で取引される。
55グラム以上と実の大きい2Lサイズは9個入りの出荷価格が1500円。ハウス栽培の他府県産は、同規格で900円ほどだという。
軽量で収穫作業の負担が小さく、収穫時に台風の影響を受けることもないなど、農家にとってもメリットが多い果物だが、生産農家の少なさや高齢化が課題となっている。
島袋さんは「県民に市ビワの良さをもっと知ってもらいたい」と話し、担い手が増えてほしいとの願いを込める。収穫は4月上旬が最盛期。沖縄市登川の「JAおきなわ中部ファーマーズマーケットちゃんぷるー市場」で限定販売される。【琉球新報電子版】