校歌歌い、感謝と涙 「十五の春」・離任 与那国空港に別れの季節


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島から旅立つ人たちを見送る人々でにぎわう与那国空港

 【与那国】各学校で卒業式などを終え、与那国空港は連日のように島外へと旅立つ人を見送る人でにぎわっている。島は暖かな陽気で、草花や飛来した野鳥の姿に、春の訪れが感じられるようになった。

 「十五の春」を迎え、島を旅立つ生徒だけでなく、与那国島での勤務を終えて本島に戻る教諭もいる。空港のあちこちで、児童生徒や保護者らが肩を組みながら校歌を口ずさんだ。中には泣きながら離任する教諭もいる。

 3月25日は久部良小学校(田場盛博校長)を離任する島袋美奈子教諭と久保田満美子教諭を見送りに児童らが集まった。両教諭は「すてきで、かわいい子どもたちに出会え、優しい保護者の皆さま、地域の皆さまに支えられて、これまでやってこられた。ありがとう」とあいさつした。

 児童たちからは「先生、お世話してくれてありがとう」「勉強を教えてくれてありがとう」と言葉を交わした。

 島袋教諭は4年間、久保田教諭は3年間、初めての離島赴任を終えた。

 別れを惜しむ児童生徒は、飛行機が見えなくなるまで手を振って見送った。与那国空港は、数日後には新たに赴任する人々を笑顔で迎える島民でにぎわう。(村松友紀通信員)