沖縄県恩納村安富祖の米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で車両と水タンクが破損し、タンク内や車両付近で銃弾らしき物が発見された問題で、基地の境界にあるゲートから水タンクまで約100メートル、工事車両まで約300メートル、安富祖集落から400メートルしか離れていないことが17日、恩納村の資料で分かった。
在沖米海兵隊は同日、「調査が終わるまで、関係する可能性のある射撃場の使用を一時的に中止する」と本紙取材に回答した。一方、沖縄県は池田竹州基地対策統括監を現地に派遣したが、基地内に立ち入ることができず、フェンス外から現場を見るだけにとどまった。
恩納村によると、被弾したと思われる車両は、助手席ドアの下部分に銃弾のような物でえぐられた跡が2カ所見つかった。また、水タンクは2カ月前からこの場所にあり、上部と底の2カ所に銃弾の穴があることも分かった。
ダム工事が進む現場は現在、米軍から一時使用許可が下りている「共同使用」の適用範囲となっている。安富祖区に住む80代の男性は「今回はたまたま水タンクや車両に(弾が)ぶつかって発見されただけで、飛んできたけど見つかっていない銃弾があっても不思議ではない」と話した。
担当者によると、水タンクについては6日、工事関係者が穴と銃弾らしき物を発見し、米軍に連絡した。7日、米軍が現場検証し、銃弾らしきものを回収した。
13日には、車両の傷と銃弾のような物を工事関係者が発見。14日に米軍が銃弾らしき物を回収した。その後、工事関係者から初めて村に連絡があり、事実関係を把握した。
恩納村議会は一連の問題で17日、基地問題対策委員会を開いた。今後、米軍や防衛局の調査結果次第では、抗議決議も視野に入れる。