社会

人権侵害の救済訴え 南洋戦訴訟 原告陳述し結審

横断幕を掲げ、那覇地裁に向かう南太平洋で戦争に巻き込まれた民間人やその遺族ら=19日、那覇市樋川

 パラオやサイパンなど南太平洋で戦争に巻き込まれた民間人や遺族ら45人が、国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の最終弁論が19日、那覇地裁(剱持淳子裁判長)で開かれ、結審した。原告側から原告団長の柳田虎一郎さん(79)=那覇市=ら3人が最終陳述・弁論で戦争体験を語り、戦争による人権侵害の救済を訴えた。判決は年内になる見通し。

 国側は最終準備書面を提出しなかった。国側は答弁書では、戦争行為が国家賠償法施行前で損害賠償を負わないとする「国家無答責の法理」などと主張しており、請求の棄却を求めている。

 瑞慶山茂弁護団長は、被害者にとって戦争被害は終わらず拡大していくものとして「被害は基本的人権の侵害だ」などと弁論。また国側が原告側の主張に対し、認否しなかったことについて「上から目線で極めて不誠実な態度だ」と批判した。

 テニアンで生まれた喜瀬光子さん(82)=嘉手納町=は、艦砲射撃でけがをした上、家族と離散し戦争孤児となった経験を語った。

 戦後はPTSD(心的外傷後ストレス障害)に準ずるトラウマ反応、解離性障害と診断された喜瀬さんは「戦争がなければつらい思いをしなかった。多大な犠牲を強いる戦争は絶対反対だ」と訴えた。

 パラオで育った柳田さんは、軍艦に乗って日本に引き揚げようとした際、米軍の潜水艦に撃沈され九死に一生を得た。

 その後着いたダバオなどで母や妹を亡くし、日本兵が日本女性の食料を奪い銃剣で刺し殺すのを見た。柳田さんは「軍人軍属はあがめられるのに、民間の戦争被害者はなぜ救おうとしないのか」と疑問を投げ掛けた。



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