動きやすい街づくりへ バリアフリーマップ始動で実験


この記事を書いた人 松永 勝利
雨の中、バリアフリー状況を確認する参加者たち=22日午後、那覇市の牧志駅前

 東京都を拠点に活動するNPO法人「PADM遠位型ミオパチー患者会」は22日、各地のバリアフリー状況を確認できるスマートフォン向けアプリ「WheeLog(ウィーログ)」の実証実験を那覇市の国際通りで初めて実施した。全国有数の観光地である沖縄で実施することで、利用者の利便性を図るのが狙い。実証実験には雨天にもかかわらず約30人が集まった。アプリは5月下旬に無料で公開する予定。

 「ウィーログ」は各地の施設や周辺道路の環境について、利用しやすいバリアフリー化がどれだけ進んでいるのかを画像で投稿し、地図で示すもの。

 グーグルが提供する地図サービス「グーグルマップ」と連動させることで移動困難な車いす使用者や高齢者、その支援者らが投稿したバリアフリーの地図がリアルタイムで確認が可能となる。

 参加者は、実際に街に出て施設の状況や道路の状態などを確認しながら国際通りを中心にバリアフリー情報を投稿した。

 参加した山川朝教さん(48)=八重瀬町=は「今まで、各個人で持っていた情報や各情報サイトで管理していたものが集約され、随時更新される環境ができるのはうれしい」とアプリへの期待を寄せた。

 PADMの織田友理子代表は「車いすの方、高齢者、ベビーカー利用者が安心して沖縄に観光で訪れるようにしたい。また、沖縄に住んでいる人たちのバリアフリーについて考えるきっかけになればいいと思う」と語った。

 協力した県脊髄損傷者協会の仲根建作会長は「今回の実証実験で、沖縄にどれだけバリアフリー環境があるかが分かる。これも沖縄にとっては大きな利点がある」と沖縄で行う意義を強調した。