経済

沖縄県、子牛購入費助成へ 肥育農家の基盤強化 本年度から

 沖縄県産牛肉の増産を目指し、県は本年度から、県内の肥育農家が素牛(子牛)を購入する費用を一部助成する事業を始めることが4日までに分かった。県による助成事業は初めて。県内肥育農家の経営基盤を強化し、子牛の県外出荷に依存する沖縄の肉用牛産業の安定性を高めるのが狙い。

 県は肥育牛の出荷頭数を2016年の3378頭から、19年には4300頭台に増やすことを目指す。県内では県産牛肉の不足感が根強い。増産により地場産の食材を求める観光業の需要にも応えられると期待を寄せる。

 事業は県内の肥育農家を対象に、子牛の導入奨励金として1頭当たり3万円を交付する。

 対象となる子牛は選抜された県の種雄牛を父牛とし、県内の家畜市場で購入することなどが条件。事業費は県と県畜産振興公社が負担し、計1600万円。

 沖縄は全国有数の子牛産地として知られ、沖縄で育てられた子牛は主に全国の産地で肥育され、ブランド牛などとして出荷される。県内の肥育牛産業は石垣牛やもとぶ牛などがあるものの相対的に小さく、県内の家畜市場は県外の購買者に依存している。

 県外産地で災害などの異変が起き購買者が減った場合にも、県内の肥育農家が買い支えて県内家畜市場が影響を受けにくい仕組みづくりを目指す。

 一方、子牛の価格が上昇したため肥育農家が子牛を買いにくくなり、廃業に至る事例も発生している。肥育農家の中には購入できない分を補うため自ら子牛の繁殖を始めた所もあり、肥育農家の負担軽減を図る狙いもある。

 県畜産課は「観光客の増加を受け県内の肉用牛需要も高まっている。肥育素牛の購入補助で肉用牛産業全体の振興につなげたい」と話している。

 県の助成事業開始について、本部町でブランド牛「もとぶ牛」の肥育事業を行っている農業生産法人もとぶ牧場の坂口泰司社長は「現在は子牛価格が高いが、農家が肥育して出荷する2年後に枝肉価格がどうなっているか分からない。助成事業により安心して素牛が買える。農家としてありがたい」と語った。