うるまいじめ裁判和解 市と加害側、220万支払い


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 【うるま】うるま市内の中学校で2013年に発生した上級生が下級生数人に暴行したいじめ問題で、被害生徒の1人の親が市と加害生徒に対し損害賠償を求めた訴訟でこのほど、和解が成立した。被害者に和解金として市が65万円、加害生徒側が計155万円を支払うことで和解した。

 被害生徒の親は「こうしたいじめが二度と起きないために(市や学校に)速やかな対応をお願いしたい」と訴えた。

 市との和解調書の和解条項によると、市は「本件行為が中学校内で行われたことを重く受け止め、再発防止に努める」ことなどとしている。

 関係者によると、複数の上級生が下級生数人の頭を殴打、土下座を強要するなど3カ月以上、暴行が続けられていたという。

 市の担当部署は「教育現場と行政とが連携し、考えられる全ての再発防止に努めていく」と述べた。一方、裁判で争点となった学校側の生徒に対する安全配慮義務をどこまで尽くすかどうかについては、市が和解を理由に配慮義務の範囲について言及を避けた。

 被害生徒の親はいじめ問題発覚後、いじめ防止対策についての署名活動を実施。文書では(1)被害者の保護者への速やかな連絡(2)謝罪を止めた学校側の対応を改めること(3)被害生徒への誠意ある事後ケア(4)再発防止―などを求め、署名3200筆余りを集めて、市へ提出する予定だった。だが、市は17日夕方、「和解で裁判が成立したので、署名は受け取れない」と連絡し、署名の受け取りを拒否した。

 これに対して、被害生徒の親は「いじめが再発しないように早急な対応をしてもらいたいだけだ」と述べ、市の対応を疑問視した。