還暦祝いは赤いユニホーム 教え子たちがバスケ熱血指導者を祝う


社会
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 【宜野湾】中学校教師として生徒たちにバスケットボールを指導してきた石川正信さん(60)の定年退職に合わせ、宜野湾市の真志喜中を卒業した教え子たちが20日、市真志喜のラグナガーデンホテルで還暦祝いを催した。約70人が駆け付け「先生、ありがとう」と感謝の思いを伝え、第二の人生に向けて激励した。

 石川さんは1981年に真志喜中へ赴任、バスケ部の顧問を務めた。当初ユニホームすらなく、初めての大会は体育着に手書きのゼッケンを付けて出場した。3年後には九州代表として全国大会に出場できるほどまでにチームを強化した。

 91年には県選抜チームのコーチに就任し、全国優勝を果たした。その後、中頭地区中学校体育連盟バスケットボール専門部長や宜野湾市バスケットボール協会長を歴任した。最後は真志喜中に校長として戻って今年3月、教員生活を終えた。

 20日の祝宴は、45歳から51歳までの真志喜中バスケットボール部OB会が秘密裏に企画し、石川さんを驚かせた。

 出席した全員が登壇し「先生のおかげで今もバスケに携わっている」「先生のプレー姿がかっこよく、自分も練習を頑張った」などとあいさつした。

 「海に向かって皆で叫んだ」「市喜友名から真志喜まで毎日走らされた」「練習がきつくて逃げるために跳び箱に隠れた」と具体的な思い出も飛び出し、会場は笑顔に包まれた。

 還暦祝いの赤いちゃんちゃんこの代わりに「MASANOBU」「真志喜」と記された背番号60の赤い特製ユニホームが石川さんに贈られた。

 石川さんは「当時は若さもあり、熱い思いをぶつけて厳しくしたこともあった。許してほしい」と笑い「大勢が集まってくれて感無量だ。皆がそれぞれの道に進んでいるということが私の力になる。今日の気持ちを忘れず、これからも頑張りたい」と感謝した。

 儀間勝弥OB会長(50)は「第二の人生を夫婦そろって幸せに過ごしてほしい」と伝え「石川先生の還暦祝いで集まることができた。今後、OB会をさらに発展させて現役生徒たちの応援もしたい」と意気込んだ。(明真南斗)