津堅島、医師に安心を うるま市、病院、自治会が協定


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「津堅島における医療・介護の安全安心な体制確保に関する3者間基本協定」を結んだ(左から)本竹秀光県立中部病院長、津堅診療所の村田祥子医師、島袋俊夫市長、玉城盛哲津堅自治会長=6日、うるま市役所

 【うるま】津堅島に配置される医師や看護師が安心して働ける環境をつくろうと、うるま市と県立中部病院、津堅自治会の3者は6日、「津堅島における医療・介護の安全安心体制確保に関する3者間基本協定」を締結したと発表した。締結は5月1日付。市の予算で診療時間外の診療に立ち会う「安全対策員」を雇用するほか、防犯カメラ2台を設置し、安心安全な職場環境の確立を図る。

 協定では、安全対策員の配備や関係機関との定期的な会議開催などを記した。協定の有効期間は最大2年で、協定内容の見直しなどを行い、更新していく。

 3月には、北大東島に派遣された女性医師が、脅迫を受け島外に避難し、一時医師が不在だった事例があった。事件を受け、うるま市は安全体制を確実なものにするため「安全対策員」の人件費として約300万円の予算を本年度計上した。

 県立中部病院の本竹秀光院長は「安心して働く環境がないと、離島医療を維持できない」と説明する。協定締結で「医師や看護師を守るという決意を頂き、安心して職員を送り出すことができる」と謝辞を述べた。

 医療従事者に特化した防犯体制の確立は初めてで、津堅自治会の玉城盛哲区長は「島にとって大切な医師や看護師を、万全な状態で迎えたい」と意気込んだ。