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避難計画義務化、県内21施設対象 作成は2施設 改正水防法が施行

 19日施行の水防法等の一部改正で、河川などがはん濫する浸水想定区域内と土砂災害警戒区域に立地する学校や老人福祉施設などの要配慮者利用施設で避難確保計画の作成が義務化される。併せて避難訓練の実施も義務となる。沖縄県内では最新の2016年3月末現在の調べで11市町村で21の施設が対象となる。そのうち既に任意で計画を作成しているのは土砂災害警戒区域内にある糸満市と大宜味村の2施設。浸水想定区域内での対象施設は那覇市内の5施設が対象となる。

 避難確保計画は、水害や土砂災害の発生に備え、施設利用者が迅速に避難できるために必要な防災体制や訓練に関する事項を定める。水防法の一部改正で計画策定が義務付けられるのは、区域内に立地する施設のうち市町村の地域防災計画で位置付けられた施設。

 これまでは浸水区域内の対象施設の計画策定は努力義務だったが、一部改正で義務化された。土砂災害警戒区域内は努力義務でもなかったが、義務化された。

 計画策定は施設管理者の義務。市町村長は計画を策定していない管理者に対し、期限を定めて作成するよう指示し、従わない場合は公表できる。

 国土交通省のまとめによると16年3月末時点で、土砂災害のおそれのある場所に立地する施設は県内の25市町村で221。そのうち警戒区域に立地している施設は19市町村で96ある。さらにその中で自治体の防災計画に位置付けているのは10市町村で16。この16施設のうち、土砂災害を想定した避難計画を策定しているのは糸満市の1施設と大宜味村の1施設。

 一方、浸水想定区域内で自治体の防災計画に位置付けられたのは、16年3月末時点で那覇市の5施設。この時点で5施設とも避難確保計画は策定していない。

 水防法の一部改正は、東北豪雨や昨年の台風10号での被害などを受けて今年5月に成立し、6月19日から施行される。(滝本匠)