宮森小の悲劇 忘れない 米軍機墜落58年


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犠牲者18人の名前を刻んだ仲よし地蔵に手を合わせる慰霊祭参列者=30日午前、うるま市石川の宮森小学校

 【うるま】米軍嘉手納基地を飛び立った整備不良のジェット戦闘機が、うるま市石川(旧石川市)の住宅地や宮森小学校に墜落した事故から58年となった30日、多くの犠牲者を出したうるま市立宮森小学校で慰霊祭(主催・遺族会、NPO法人石川・宮森630会)が開かれた。遺族や当時の在校生、地域住民ら約100人が出席し、事故で亡くなった18人の名が刻まれた慰霊碑「仲よし地蔵」に手を合わせ、花を手向けた。戦闘機が墜落した午前10時40分には、参列者全員が恒久平和を願い、黙とうをささげた。

 慰霊祭に先立ち、宮森小児童会主催の追悼集会も開かれた。代表の児童らは、平和の鐘を鳴らして慰霊碑に花や千羽鶴を手向けた。児童会役員の松下琉史朗さん(11)は「ジェット機が墜落して、友達が亡くなったら悲しい。県外、世界の人に事故のことを伝えたい」とあいさつした。

 雨の中執り行われた慰霊祭では、当時小学3年だった弟、芳武君を亡くした上間義盛さん(74)が遺族会代表として「基地あるが故の悲惨な事故。二度とこうした事故が起きないよう願っている」と述べ、犠牲者らへ思いをはせた。