水滴を吸い取るコースターなどを生産・販売する新垣瓦工場(与那原町、新垣文男社長)は2016年5月にタイで現地法人「Arakaki」を立ち上げ、海外販売を本格化している。現在バンコク市内の観光地「アジアティーク」で直営2店舗を運営するほか、タイ免税店大手のキングパワーなどにも卸売りしている。今後タイを中心に、東南アジア各国への進出も視野に入れる。
現在、タイ現地法人では7人を雇用しており、毎月約4千品目を生産している。売り上げは毎月約60万円となり、順調に推移しているという。コースターのほか、アロマオイルやTシャツも生産し、材料は全て現地で調達している。
新垣瓦工場は14年にタイの雑貨関係展示会への出展をきっかけに現地での販売を決めた。新垣拓史専務は「展示会ではバイヤーの反応がよかった。その後、タイのロフトや雑貨屋でも販売するようになった」と述べた。当初、タイ現地で販売する商品は全て沖縄から輸出していたが、コスト削減のため、16年5月から現地での生産体制を構築した。
一方、海外販売での課題もあった。現地雇用職員の遅刻や、販売に当たって割引率を勝手に変えたりするなど商習慣の違いで、売り上げが大きく落ち込んだ時期もあった。現在は報奨制度を導入して従業員のやる気を引き出すなど新垣専務は「店員への教育に苦労した」と振り返った。
沖縄発のコースターはタイを訪れる中国人ら外国人客に人気があるという。新垣専務は「タイでは品質がいい土産品が少ない。観光土産品として販路開拓していきたい。将来、タイの雑貨としてタイ人にも売り込みたい」と意気込みを語った。(呉俐君)