教師の平手打ちで教委が陳謝 宮古島市、「信頼損ねた」


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体罰について陳謝する宮古島市教育委員会の宮国博教育長(中央)ら=20日、同市役所城辺庁舎

 沖縄県宮古島市内の小学校で50代の男性教諭が高学年の男子児童に体罰を加えた問題で、市教育委員会の宮国博教育長は20日、市役所城辺庁舎で記者会見し「児童および保護者におわびする」と陳謝した。市教委は教諭を厳重注意の処分とし、人事権のある県教委へ報告した。

 教諭は10日朝、体育館にバレーボールを散らかしたとして、自身が担任をする中学年の教室に児童を呼び出し、約20人の児童の前で顔面を平手打ちし、腹部に蹴りを加えた。児童は軽傷を負った。だが体罰後に、児童はボールの散乱とは無関係だったことが判明し、教諭は謝罪をした。

 市教委によると、教諭は「被害児童と保護者には計り知れないほどの肉体的、精神的な苦痛を与えてしまった。おわび申し上げる」と話している。教諭は現在自宅待機を続けている。宮国教育長は「学校関係者と市民に対し、信頼を損ねたことを深くおわびする。今後、市教委は信頼関係を築き上げることに努めたい」と述べた。

 児童は体罰を受けた直後は学校を欠席したが、19日から登校を始めている。一方、体罰を見ていた児童の精神的なケアを目的に、学校にはスクールカウンセラーや相談員が派遣されている。

 市教委によると、市内で体罰は2015年度に3回、16年度1回確認されている。
【琉球新報電子版】