米軍と災害協定を 渉外知事会で神奈川知事 翁長氏、機能強化懸念


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防衛省の小林鷹之政務官(中央)に要望書を手渡す黒岩祐治神奈川県知事(右)と翁長雄志知事(左)=2日午後、防衛省

 【東京】米軍基地所在の15都道府県でつくる渉外関係主要都道府県知事連絡協議会(渉外知事会、会長・黒岩祐治神奈川県知事)は2日、千代田区の都道府県会館で定期総会を開いた。黒岩知事は米軍が災害時に日本の空港等を使用する条件などを地位協定に盛り込むべきだと提案した。副会長の翁長雄志知事は反対しなかったが「防災という言葉で基地機能強化の可能性がある。少し心配もある」と懸念も示した。

 黒岩氏は「災害時等特別協定」とする試案を提示した。空港等の緊急的な利用については「基地の機能強化に結びつかないよう歯止めとなる規定の導入を検討」することも考えている。また刑事裁判手続きに関する研究を進めることや全国知事会とのさらなる連携強化の必要性も示した。提案に異議はなく、今後、政府への要望項目に入れるか検討される。

 渉外知事会は総会後、採択した要請書を外務省、防衛省、在日米国大使館などに手渡した。

 要請書では、米軍属女性暴行殺人事件を受け、日米地位協定の対象軍属の範囲を明確化する「補足協定」が今年1月に締結されたことに関連し、補足協定の適用基準の見直しに関する米側からの報告を公表するよう新たに求めた。再編交付金などを規定する米軍再編推進法の10年延長が決まったことから、地域振興策の新設・拡充などの要望項目を新たに盛り込んだ。要請書を受け取った防衛省の小林鷹之政務官は「要望の一つ一つに真摯(しんし)に、しかるべく対応したい」と応じた。

英文へ→Kanagawa governor proposes disaster-related agreement with US military, but Onaga concerned it could lead to base fortification