次世代の新聞活用提案 NIE全国大会


この記事を書いた人 平良 正
NIE全国大会名古屋大会の座談会で話をする吉田沙保里さん(右から2人目)、天野浩教授(同3人目)ら=3日、名古屋国際会議場

 【愛知県で下地美夏子】第22回NIE全国大会名古屋大会(日本新聞協会主催)が3日、「新聞を開く 世界をひらく」をスローガンに開幕した。4日まで。全国から教育・新聞関係者ら約2300人が集まり、過去最多の参加者となった。公開授業や実践発表を通し、次世代育成のための新聞活用法を考える。

 初日は名古屋国際会議場で開会式と記念講演、座談会があった。記念講演ではノーベル物理学賞を受賞した天野浩氏=名古屋大教授=が、受賞までに報道された記事を振り返りながら裏話などを語った。「研究者にとって新聞記事は羅針盤のようなもの。未来ある若者は現在の日本や世界を映し出す新聞を活用し、より良い世界を創ってほしい」とエールを送った。

 座談会には女子レスリング五輪メダリストの吉田沙保里氏が登壇し、児童生徒らと「頭の知識 体の知識」をテーマに議論した。AI(人工知能)や18歳選挙権などバラエティーに富んだ質疑が交わされた。司会の土屋武志氏=愛知教育大教授=は「新聞から情報を読み取り、多様な価値観を受け入れて行動することがこれからのNIEの課題だ」と締めくくった。

 愛知県立旭丘高校2年の大矢真理子さん(17)は「NIEに興味がある。他の子たちの実践を知りたい」と話した。