政府が飛行自粛要請 普天間所属オスプレイ 米軍に、豪沖墜落受け


この記事を書いた人 平良 正

 【東京】小野寺五典防衛相は6日、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが豪州東海岸で墜落した事故で、米軍に日本国内での飛行自粛を求めたと明らかにした。

 米側は要請を受け止めたとしたものの、実際に自粛するかなど具体的な対応策は示さなかった。

 小野寺氏は14日にも来県し、翁長雄志知事に政府の事故対応などを説明したい考えだ。一方、県は7日に外務省沖縄事務所の川田司大使と沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を県庁に呼び、抗議する。

 政府は米側に情報提供や原因究明、再発防止の速やかな実施も求めた。今後、事故原因が分かった段階で飛行停止などを求めるか対応を検討するという。

 小野寺氏は「この問題に関係なく、沖縄の負担軽減についてさまざまな意見を聞き、政府の考え方を伝える機会は大変重要だ」と述べ、早期に来県する意向を示した。

 この墜落事故で、米NBCテレビ(電子版)は6日、オスプレイは強襲揚陸艦ボノム・リシャールから離陸後、輸送揚陸艦グリーンベイに着艦しようとした際に甲板に接触し、事故になったとの見方を報じた。米軍筋の話としている。当時の天候は良好だったという。

 在沖米海兵隊は「事故状況は調査中で、新しい情報はない」としており、原因は確認されていない。

 海兵隊は6日、行方不明になった隊員3人の捜索を一時中断、事故機の回収作業を進めると発表した。完了まで「数カ月かかる」とみている。捜索は米軍主導で6日午前3時(日本時間同2時)まで上空と海上から続けられた。

 米メディアによると、休暇中のトランプ大統領も事故について説明を受けた。 普天間所属のオスプレイは10日から北海道で行われる日米共同訓練「ノーザンヴァイパー」に参加を予定していた。防衛省は飛行自粛を求めたため、オスプレイ参加の取り扱いを米側と再度調整するとしている。