対馬丸刻銘板を張り替え 記念館 継ぐ思い新た


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
対馬丸の犠牲者の名前が記された刻銘板を張り替える作業員=17日、那覇市若狭の対馬丸記念館

 那覇市の対馬丸記念館は17日、館内に展示している対馬丸沈没の犠牲者1482人の名前を刻んだ刻銘板の張り替えを行った。22日に発生から73年を迎えるに当たり、刻銘板を新装し悲劇を語り継ぐ思いを新たにした。

 疎開学童や一般疎開者を乗せた対馬丸は、太平洋戦争中の1944年8月22日、米潜水艦の攻撃を受けて撃沈した。悲劇を後世に伝え、二度と繰り返さないため学びの場にしようと、2004年に対馬丸記念館がオープンした。

 刻銘板には学童784人を含む1482人の名前が記されている。これまでは遺族らの申告などを受け、シールを張って名前や年齢の追加や修正をしていたが、8年ぶりに全面的にリニューアルした。

 17日、作業員2人が高さ約2・8メートル、幅約8メートルの刻銘板の複数箇所に張られた修正のシールをはぎ取った後、折り目がつかないよう新しいシートを丁寧に張っていった。

 対馬丸記念会の外間邦子常務理事(78)は「刻銘板は記念館の原点なので、感慨深い。犠牲者の生きた証しをしっかり残し、供養だけでなく戦争と平和を学ぶ場になってほしい」と話した。

 対馬丸記念館では、新たに寄せられた8人分3枚の遺影を22日に追加する予定。