沖縄からの果実輸出9割増 16年過去最高、全国の品が経由しアジアへ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄地区税関は17日、沖縄県内から海外への果実の輸出動向を発表した。2016年は輸出数量が前年比88・4%増の34トン、金額が70・1%増の4500万円となり、数量、金額ともに過去最高だった。輸出は全て空輸で、品目はイチゴや桃といった県外産が中心。品質の高い日本産果実の需要がアジアで高まっていることを背景に、国内の特産品が沖縄を経由して香港やシンガポールへ輸出される形となっている。

 那覇空港を拠点とした全日空の国際貨物ハブ事業が09年に始まったことで沖縄からの生鮮品輸出が可能となり、果実についても11年からの5年間で数量は約17倍、金額は約55倍の規模に増加している。

 沖縄地区税関は今後の見通しについて「官民挙げて農林水産物の輸出強化に取り組んでいる。流通業界では今後も堅調に推移していくと期待し、県産果実の需要を掘り起こすことで輸出の増加につなげたいとしている」と指摘した。

 輸出額の品目別内訳は「イチゴ」が2288万円(数量9・7トン)と全体の51・4%を占め、「桃」の646万円(数量4・0トン)、「ミカン」の430万円(9・7トン)、「パイナップル」の352万円(5・1トン)などと続き、ほとんどが県外産となっている。

 国別シェアでは「香港」が数量で63・4%、金額で78・6%を占める最大の輸出先となっており、「シンガポール」(数量シェア35・5%、金額シェア20・7%)、「台湾」(数量シェア1・1%、金額シェア0・7%)と続いた。