ANA国際物流ハブ、土曜の運航休止 収益改善へ10月29日から 青島、アモイは運休


この記事を書いた人 平良 正

 全日本空輸(ANA)は23日、那覇空港を拠点とした国際物流ハブ事業で、貨物量の少ない土曜深夜に運航する計20便を10月29日から休止すると発表した。未明の時間帯に那覇空港に貨物専用機を集めるハブ路線は、月~金曜の平日運航となる。また、米国向けの貨物が多い中国・青島(チンタオ)、アモイの2空港は週10便の那覇路線を運休し、成田経由に経路を見直す。那覇空港の貨物便は週28便の減便となり、ANAは路線の改編で国際貨物事業の収益の改善を図る。

 那覇空港はアジアの主要都市を4時間圏内に含み、24時間の運用が可能でダイヤの自由度が高いことなどから、夕方以降に集めた貨物を翌朝までに目的地へ届けられる高速輸送が強みとなっている。国際物流ハブ事業は現在、国内線4空港、国際線9空港に路線を展開し、週6日で120便を運航している。

 一方で、多くの企業が日曜は休みとなっており、土曜に集めた荷物を高速で輸送するメリットがあまりない。貨物量が平日と比べて少ないことから、土曜の運休を決めた。

 青島、アモイを結ぶ路線については沖縄から出す貨物の量が少ない上、那覇空港からさらに成田や羽田を経由して米国に向かう貨物が多数を占めるなど、那覇を経由する必要性が低い輸送効率の悪さがあった。このため青島、アモイと成田を結ぶ路線を増便して、ANAの貨物事業全体の効率化を図っていく。

 那覇空港は2009年にANAの物流ハブ事業が始まったことで貨物取扱量が大きく増え、16年の国際貨物取扱量は17万6千トンと成田、関空、羽田に続く国内4番目の空港となっている。

 ただ、沖縄の発着貨物量が当初の想定を下回るなど、事業の黒字化には至っていない状況がある。

 ハブ事業を運営するANAカーゴは「沖縄が国内やアジアの主要都市を結ぶ重要な拠点であることには変わりはない」として、那覇空港のハブ機能は引き続き維持・強化していく方針を説明している。

英文へ→ANA International Logistics Hub to end Saturday shipping and suspend flights from Qingdao and Xiamen to improve profits