アニメツーリズム協会(富野由悠季会長)は26日、国内外アニメファンの投票を参考に選んだ「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)」を発表した。沖縄県内からは、ウルトラマンシリーズの脚本を手掛けた故金城哲夫さん(1938~76年)の書斎が当時のまま残されている金城哲夫資料館(南風原町津嘉山)が選ばれた。作品の舞台や記念館などからなる「聖地」88カ所の選定は今回が初めて。
同資料館は、金城さんの実家である料亭・松風苑の離れの2階で、金城さんが32~37歳まで仕事場として使っていた。部屋の内部は当時のまま残されている。
松風苑の支配人で、哲夫さんの弟の金城和夫さん(70)は「今でも50代以上のファンが多く訪ねてくる。こんなに光栄なことはない。本人も喜んでいると思う」とにっこり笑った。
資料館と協力し、町おこしに取り組んできた町観光協会の照屋盛夫会長は「南風原町が世界に知られたと思うとうれしい。町の活性化にもつながる」と期待を寄せた。
アニメ作品の舞台、モデルになった場所や、漫画家らの記念館などの施設を有する自治体の中から選ばれた「聖地」は、昨年の大ヒット映画「君の名は。」のモデルとされる岐阜県飛騨市や東京都新宿区など。今回の選定では、アニメとの関わりを生かして観光客を呼び込んだ自治体の実績も、評価の対象となった。
アニメツーリズム協会は2016年、日本の人気アニメにゆかりの地を観光資源として活用し、訪日観光客の誘致促進を目指そうと結成された。沖縄観光コンベンションビューローが候補作品を推薦していた。
金城哲夫資料館の見学は要予約。時間は正午~午後5時。予約や問い合わせは松風苑(電話)098(889)3471。
作品、施設の詳細や自治体との関連性については、アニメツーリズム協会のホームページで確認できる。アドレスはhttps://animetourism88.com/ja