新生キングス勝利 Bリーグプレシーズンマッチ 富山に87―70


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 バスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは26日、沖縄市体育館で同1部中地区の富山グラウジーズとプレシーズン試合を行い、87―70で勝利した。佐々宜央ヘッドコーチ(HC)による新体制の下、短い時間ながら詰めてきた守備の連係が光った。激しい重圧に加え、時にマンツーマン守備に切り替えるなど序盤から相手攻撃を詰まらせ、パスやドリブルカットからの速攻で会場を沸かせた。

 攻撃では211センチのヒルトン・アームストロングや、オンザコートに縛られないアイラ・ブラウンが活躍。ゴール下で競り勝てる高さとパワーで、得点だけでなく相手ファウルを誘い、フリースローで点を稼いだ。新加入の二ノ宮康平は守備で、須田侑太郎は連続3点弾で活躍した。

 選手の大幅入れ替えによりさまざまな話題を集めたキングスが、プレシーズンながら勝てるチームであることを早速証明した試合だった。

琉球ゴールデンキングス
 87―70(22―14,16―16,19―15,30―25)
富山グラウジーズ

 【評】新生キングスは第1Qから激しい守備によりパスやドリブルカットでリードをつくると、攻撃では新加入の外国人選手の高さを生かしたダンクシュートなど、これまでにないゴール下の勝負強さが光った。第3Qに同点とされたが、二ノ宮康平のアグレッシブなスチールや須田侑太郎の連続3点弾で勢いを取り戻し、点差を広げていった。

◇守備の連係光る

第3Q、ゴール下からシュートを決めるアイラ・ブラウン=26日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 佐々宜央ヘッドコーチ(HC)率いる新生キングスが粗削りながらアグレッシブなプレーで富山グラウジーズに快勝し、勝てるチームとしての可能性を見せつけた。ただ、ここがスタート地点。佐々HCも「反省が多い試合」、岸本隆一主将も「ここを底辺としたい」と貪欲に勝利を目指す姿を示した。

 序盤から肉弾戦のような守備が会場を沸かせた。相手全員に激しく重圧を掛け、渡辺竜之佑や田代直希らがボールを奪って速攻へ。アームストロングが高さを生かしたダンクシュートやブラウンのパワーでゴール下から点につなげ、相手ファウルも誘った。

 一方、攻撃は「戦術は2つぐらい」(佐々HC)とまだまだ発展途上。試行錯誤の中で第3クオーターには同点に追い付かれたが、つまり気味だった単発のピックアンドロールを連続してアウトサイドに広げると、須田の3点弾が決まりだし、波に乗り始めた。二ノ宮も相手が勢い付く時間帯に、吸い付くような守備でボールを奪い、会場を沸かせた。

 ファンの期待と不安が大きかった初試合の勝利に岸本は「練習で取り組んだことを割と表現できた」と実感。沖縄での初プレーを終えた須田は「独特の応援を背に受けると力がみなぎる。心強かった」とファンに感謝した。

 佐々HCは「選手は短期間の練習でよく激しい守備をやってくれた」と評価しつつ、攻撃の「つくり方はまだ僕の伝え方が未熟かな。ただ選手は素晴らしい仕事をしてくれて感謝している」と一定の手応えを得た様子だった。(嘉陽拓也)

◇反省の多い試合
 佐々宜央HC(キングス)の話 反省の多い試合だったが、選手の活躍は素晴らしく守備も激しくプレーできていた。87点も取れたが攻撃の戦術はまだまだ少ない。攻撃も守備も細かいところでまだ要求していくこともあり、いろいろな選手を試合に出してみる必要がある。

◇琉球の守備はアグレッシブ
 ミオドラグ・ライコビッチHC(富山)の話 故障者が数人いてローテーションが短くなり最後の6、7分でゲームが決まったが。宇都や大塚の2人で31点取れたのは収穫だ。琉球の守備はアグレッシブで、序盤の日本人選手の活躍が良かった。