在沖米海兵隊グアム移転へ大型契約 通信基地、実弾射撃場整備 総額267億4700万円


この記事を書いた人 大森 茂夫

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】在沖米海兵隊のグアム移転に関し、米海軍は1日までに、フィネガヤン地区海軍コンピューター・通信基地の基盤整備事業、アンダーセン空軍基地北西部での実弾射撃訓練場整備の大型契約をそれぞれ結んだ。8月17日の日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で「在沖米海兵隊員のグアムなど国外移転の着実な実施」と確認したことを受けたものとみられる。一方、射撃訓練場予定地近隣の地元住民からは、自然破壊や伝統文化の崩壊につながると、改めて抗議の声が上がっている。

 フィネガヤン地区の宿舎建設や道路整備などインフラ整備に係かる事業では、日本の大手ゼネコン大林組と米企業の共同企業体(JV)が約1億6500万ドル(約181億6千万円)で落札。着工時期は未定で、不発弾の除去や歴史的な建造物の保存、絶滅危惧種の保護対策などが含まれている。

 射撃訓練場整備は、グアムの地元企業と7800万ドル(約85億8700万円)の契約を結んだ。

 どちらも、日本政府による米側への資金提供を受けたもので、日米両政府は7月、日本側の2億3580万ドル(約259億3800万円)の資金提供に関する書簡を交わしている。

 米海兵隊のデビット・バーガー司令官は「マリアナ諸島の戦略的拠点の一部として、グアムを強化する大きなステップであり、海兵隊のインド・アジア太平洋地域での能力を維持する」と述べている。