「踏ん張る沖縄 感じて」 國吉さん、100人肖像写真展


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約50年撮りためた肖像写真を展示する國吉和夫さん。平和を希求する沖縄の現代史が浮かび上がる=6日、宜野湾市の佐喜眞美術館

 【宜野湾】報道カメラマンとして米軍基地や基地にあらがう市民運動などをテーマに、沖縄の激動の時代を撮り続けてきた國吉和夫さん(71)が、これまでの作風と異なる肖像写真中心の写真展を佐喜眞美術館(宜野湾市)で開いている。知名定繁さんや我如古よりこさんら「島唄」の歌い手を中心に、沖縄芝居の役者、画家など時代をつくってきた人たちの表情やまなざしにレンズを向けた。

 展示会は「〈私の〉人(ひと)展」と銘打ち、約100点を展示。各界の著名人や市井の人々の姿を通して沖縄の戦後史の流れが浮かび上がる。國吉さんは琉球新報社の元写真部カメラマン。肖像写真を撮ったのは1967年~2017年。「いまだに揺さぶられ続ける我(わ)した島、沖縄(ウチナー)、押しつぶされずに踏ん張り続けられているものは何なのか。私の写真から感じ取ってもらえたらうれしい」などと熱く語った。

 サングラスがトレードマークの歌手・佐渡山豊さんは特徴のある手ぶりを捉えた。高校野球の名将・栽弘義元監督が、神妙な面持ちでベンチに座る写真も。展示会は25日まで。18日午後5時から故北島角子さんの追悼記念公演が開かれる。問い合わせは同館(電話)098(893)5737。