社会
高江米軍ヘリ炎上

黒い残骸 増す不安 マスク米兵 物々しく 高江米軍ヘリ炎上

特殊なマスクを付けて、液体を散布する米兵=12日午後5時1分、東村高江(具志堅千恵子撮影)

 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが東村高江の牧草地へ不時着し、炎上した事故現場では12日、操縦席などが大破して焼け焦げた機体の無残な姿があらわになった。機体周辺では放射線測定器と見られる機器を手にする米兵の姿も確認された。撤去のめどは立たず、農業を営む地域住民の間では不安やいら立ちが募る。北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧石平ゲート前では、抗議集会が開かれ、200人を超える参加者らが怒りの拳を突き上げ、抗議の声が広がった。

 収穫時期を迎えた牧草地の中に、焼け焦げたヘリの残骸が横たわっていた。東村高江で不時着し、炎上した事故から一夜明けた12日、現場周辺は県警や米軍によって規制され、機体周辺で作業する米兵の姿が見られた。機体の撤去の見通しは不透明で、住民は不安と落胆の表情を見せた。

 「いろんなことが心配で、一睡もできなかった」。12日、現場近くの自宅で、畜産業の西銘清さん(87)が疲れ切った様子で語った。

 不時着時、ヘリからわずか100メートルほどの豚舎で作業をしていた。パラパラという飛来音が聞こえ、しばらくして豚舎のトタン屋根と壁の間から、煙が上がるのが目に入った。きつい臭いが漂い、身の危険を感じて豚舎を出た。「何が起きたか分からなかった。まさかヘリの事故だとは」

 機体は12日も牧草地に残されたまま。「ヘリは故障したらどこに落ちるか分からない。二度とこんなことがないようにしてほしい」と力なく話した。

 この日は早朝から、米兵や警察官が現場で話をしたり、炎上した機体の周辺を歩いたりする姿が見られた。正午ごろ、自民党の岸田文雄政調会長が視察に訪れると、名護市辺野古の新基地建設や高江のヘリ着陸帯建設に反対する市民らが抗議の声を上げ、現場は一時騒然とした。

 午後も作業は続き、白色の簡易マスク姿の米兵約10人が、機体と周辺を確認した。放射線測定器と見られる機器を手にした米兵もいた。特殊なマスクを着用した米兵が機体周辺に液体を散布する様子も見られた。