東村高江で不時着し炎上したCH53E大型輸送ヘリコプターに関し、在沖米海兵隊は13日、本紙取材に「CH53Eのインジケーター(指示器)の一つに放射性の材料が使われている」と認めた。沖縄防衛局と県は13日午後4時ごろから、現場周辺で初の環境調査を実施した。内周規制線内には入れなかったため、県は週明けにも改めて防衛局を通し立ち入りを申請する。関係者によると今回の事故機は、6月に久米島空港へ緊急着陸したCH53Eと同一機だった。
在日米軍の監視を続けるリムピースの頼和太郎編集長によると、「インジケーター」は2004年の沖国大米軍ヘリ墜落でも問題となった、プロペラの内部に傷があるかどうかを調べる検査装置のことを指すとみられる。米軍は放射性物質について「健康を害すのに十分な量ではない」とも回答した。
沖国大米軍ヘリ墜落事故では放射性物質「ストロンチウム90」が問題となった。今回も近隣住民らの間に不安が広がっている。11日に炎上事故があった東村高江では放射能測定器とみられる機器を持った米兵が現場に入った。矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授は「04年同様、今回も黒煙とともに周囲に飛散したのではないか」と指摘している。
沖縄防衛局と県は事故により放射性物質が飛散した可能性があるとして、事故機が横たわる現場から100メートルほど離れた場所で土壌を、隣接するため池では水をそれぞれ採取した。県の担当者によると、採取物のデータ分析には約1カ月を要す見通し。
県は事故機に接する土壌の採取を要望している。週明けにも再度、立ち入りを申請する。防衛局と県は同日、福地ダムの水質も調査した。
関係者によると、11日に普天間飛行場を離陸したCH53Eのうち、4番機のみ同飛行場への帰還が確認されていない。6月に久米島に緊急着陸したCH53Eも4番機だった。
※注:矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし