【北部】世界自然遺産登録に向け、登録の可否を勧告する国際自然保護連合(IUCN)の専門家2人が調査団として16日、国頭村、大宜味村、東村のやんばる3村を視察した。調査官2人は、国頭村の比地川上流にある大国林道の長尾橋から、国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がるやんばるの森を確認した。
視察したエリアは、イタジイなどの常緑広葉樹が生い茂っており、世界自然遺産推薦地と遺産保護のために遺産の周囲に設けるバッファーゾーン(緩衝地帯)となっている。
奄美大島や沖縄に生息するオオシマゼミの鳴き声が響く中、調査官は環境省の職員の説明を聞き、写真を撮りながら質問した。環境省によると、調査官からは外来種のマングースが生息しているかについて質問があった。環境省の職員は、この地域が降水量が非常に多い地域であることや、ヤンバルクイナなどの希少種が生息していることを紹介した。視察には専門家や環境省職員、県職員ら約15人が同行した。
派遣された専門家はIUCN世界遺産科学アドバイザーで欧州委員会共同研究センター研究員のバスチャン・ベルツキーさん(ドイツ)と、IUCNアジア地域事務所アジア資源グループ長のスコット・パーキンさん(カナダ)の2人。17日は西表島に入り、最終日の20日に石垣市内で記者会見する。