防衛局、高江区に謝罪 住民「声、反映されず」 発生6日後 米軍ヘリ炎上


この記事を書いた人 大森 茂夫
「本当に申し訳ございませんでした」と区民に向かって謝罪する中嶋浩一郎沖縄防衛局長=17日、東村の高江公民館

 【東】東村高江での米軍ヘリ炎上事故を受け沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は17日、高江公民館を訪れ、区民らに謝罪した。区民が不安に感じている放射性物質について「一両日中に安全宣言する」と報告した。一方、区民は高江集落に最も近いN4地区のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の使用禁止などを強く求めた。これに対し中嶋局長は「これまで以上に強く申し入れていきたい。真剣に考えていきたい」と説明した。

 中嶋局長は仲嶺久美子区長から抗議文を受け取り「住民のみなさんが心配していた不幸が現実に起こってしまった。本当に申し訳なかった」と机に両手を置いて頭を下げた。中嶋局長が高江区民の呼び出しに応じ、区民から直接要望や抗議の声を聞くのは初めて。事故を受けて不安を感じている区民は「目に見える努力をしてほしい」「もうすでに風評被害が起きている」と、米軍や沖縄防衛局の対応を批判した。

 ヘリが炎上した牧草地の所有者である西銘晃さん(64)は「(沖縄防衛局は)放射性物質の調査をしているのに、数字を出していない。もうすでに風評被害が起きている。これは農家にとって死活問題だ」と目を赤くして憤った。さらに「まずはみんなに謝罪をしてほしいと言っていたのに、こんなに時間がかかっている」とし、6日たって謝罪に来たことに怒りをあらわにした。

 修学旅行生を民泊で受け入れてきた高江洲義吉さん(77)は、事故が起きてからすでに2件のキャンセルがあった。「名護市安部でオスプレイが墜落した時に、区がヘリを飛ばすなと直接抗議してから1年もたっていない。ルールも守られていない。何も変わっていない。われわれの声は反映されていない」と強く批判した。