首、あごへの負担軽減 競技用マウスピース開発へ 宮城正照氏(宮城歯科クリニック)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新たに開発しているマウスピースについて説明する宮城歯科クリニック院長の宮城正照氏=18日、那覇市国場

 宮城歯科クリニック(那覇市)院長の宮城正照氏が、スポーツ選手が活用できるマウスピースの開発を進めている。従来のマウスピースよりもかみ合わせの良さを追求し、下あごが自由に運動できるように改良したことで、首やあごへの負担を軽減できる。かみ合わせの悪さが原因となる首やあごのこりを解消し、選手のパフォーマンス向上につながることが期待できる。

 新たに開発するマウスピースは、全ての歯を覆う一般的な形状と異なり、奥歯の部分を中心に覆うようになっている。選手の歯並びに応じてかみ合わせを十分に調整しており、歯を食いしばったときに力を発揮できるようにした。前歯の部分の接触を減らすことで、あごが自由に動かせる構造になっている。

 宮城氏は「かみ合わせはスポーツ選手にとって命とも言える。かみ合わせの悪さが原因で体に負担がかかり、成績や選手寿命に影響することもあった」と強調する。人間のあごが体のバランスを取る役割を果たしていることにも触れ「あごを自由に動かせることで重心が取りやすくなり、首への負担もなくなる」と話した。

 従来のマウスピースはかみ合わせの部分に改良の余地があり、使用時にあごの動きが固定されることが多かったことから、新たな製品の開発を進めてきた。今後は個々の競技や選手に適したマウスピースを作成し、瞬発力や持久力に与える効果など、さまざまなデータを集積しながら実用化を目指す。

 宮城氏は「見た目は変わった形のマウスピースだけど、スポーツの分野で活用できるはず。沖縄発のマウスピースとして世界にも発信していきたい」と意気込みを語った。