罰を与える権限ない　モバイルプリンスの知っとくto得トーク［３１］

モバイルプリンス

今年６月、神奈川県の東名高速道路で追突事故が発生し、２人が亡くなった。

捜査の結果、交通マナーを注意されて怒った２５歳の男性が、高速道路でわざと道路をふさぎ、無理やり車を停止させて発生した事故だと分かったんだ。

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そうだよね。多くの人が許せないと思ったはずだ。

車に乗っていた高校１年生と小学校６年生の姉妹はけがをして、両親は亡くなった。

残された２人のことを思うと、胸がとても苦しくなるよ。

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テレビでインタビューに答える容疑者の様子も流れ、ネット上では容疑者に対する「怒り」が高まった。

そして、容疑者の父親とされる人の名前や職場、職場の電話番号が拡散し、そこに電話をして怒りをぶつける人たちが続出したんだ。

でも、この情報は間違い、つまりデマだったんだ…。

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容疑者の父親とされた男性は、名字が同じだけの全く関係のない人で、ネットのデマに巻き込まれたんだよ。

職場への電話は多い時に一日１００件も来たようで、この人の家族を脅迫するような言葉も飛んできたんだ。

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人は怒ると冷静に判断ができなくなるから、デマの見極めが難しくなるよね。自分の感情が高ぶった時に、冷静になって判断するのが大事なんだ。

そして、書き込まれた情報が本当だったとしても…、相手に怒りをぶつけていいわけではない。

家族を巻き込んではいけないし、警察でない人が罰を与えて罪をつぐなわせるのは「私刑（しけい）」と言って、許されないことなんだよ。

どんなに許せないって思うことでも、あなた自身は犯人に対して罰を与える権限はないんだってことを、知っていてほしい。

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私刑がエスカレートすると、過剰制裁（かじょうせいさい）となって別の問題に変わるんだ。

最初に犯人だった人は被害者になり、今度は攻撃した人が私刑の犯人になる。ＳＮＳでは怒りを人と共有しやすいから、怒りが増幅してしまいがちだ。

一緒に冷静になって私刑にならないように気をつけないといけないね。