うるまの海自浮桟橋工事 不適切設計、深さ不足 「898万支出は不当」指摘


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 会計検査院の検査報告で、海上自衛隊沖縄基地隊のうるま市勝連平敷屋での浮桟橋更新工事について、設計が不適切で必要な水深が確保できない事態になっていることが分かった。検査院は「工事の目的不達成」で898万円が不当支出と指摘している。海自佐世保地方総監部によると、運用上支障は出ていないが、業者の全額負担で是正工事を予定しているという。

 検査院によると業者は2015年7月に、桟橋設置場所の実際の水深より深い水深で設計図書を基地隊に提出したが、基地隊の監督職員が十分確認しないまま承諾した。16年2月末までに工事が完了した結果、船が係留アンカーの直上を航行するとアンカーと船底が接触する状態になっている。

 現在はアンカーの直上は航行しないようにしている。佐世保地方総監部は指摘に「真摯(しんし)に受け止め、今後は沖縄基地隊の監督職員による水深の立ち会い確認を徹底する」と話している。