真喜屋で末永く幸せに 区民総出 手作り結婚式 早坂、岡野さんの門出祝う


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クバ包みを持つ岡野有紀子さん(左)と早坂英二さん=20日、名護市真喜屋

 【名護】真喜屋で、末永くお幸せに―。神奈川県出身の早坂英二さん(34)と東京都出身の岡野有紀子さん(29)の結婚式が20日、沖縄県名護市真喜屋の沖縄古民家宿「まきや とくすけやー」で開かれた。真喜屋区民が全て手作りした式では、地元で慶事の時に食べる「クバ包み」が十数年ぶりに振る舞われ、温かい雰囲気に包まれ、2人の門出を祝福した。

 小浜島の職場で同僚だった早坂さんと岡野さん。沖縄本島に移り、住む場所を探す中、真喜屋区の町並みや人の温かさにほれ込み、同区へ住むことを決めた。

 区民らと相談する中で、早坂さんの「岡野さんに琉装体験をサプライズでプレゼントしたい」という思いを聞いた区民が、とくすけやーで挙げる結婚式を提案。琉装から食事、余興まで区民が全てプロデュースした。

 式の目玉は三枚肉やサーターアンダギーなどのごちそうをクバの葉で包んだ「クバ包み」。真喜屋区ではお祝い事に欠かせないものだったが、いつしか作る人はいなくなっていた。「初めて作るよ。母の見よう見まね」と笑う上地節子さん(75)を中心に、区民が記憶をたどりつつ復活させ、会場に並べた。

 式には稲嶺進名護市長も駆け付け、「この場所で式を挙げるということで、地域の人たちのちむぐくるが伝わってくる。地域の皆さんの思いを、この2人が返してくれるのではないか」と期待を込めた。

 早坂さんと岡野さんは「とても幸せです。この恩をどう地域に返していこうかな」とほほ笑んだ。2人は今後、家が見つかり次第、真喜屋で新しい暮らしを始める。