出荷前カキのミネラル豊富に 琉球石灰岩の浸透地下海水で付加価値


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
琉球石灰岩に浸透した地下海水で蓄養したジーオー・ファーム社の生カキ(同社提供)

 カキの完全陸上養殖に取り組む「ジーオー・ファーム」(沖縄県久米島町、鷲足恭子社長)が、同県浦添市の沖電開発水産養殖研究センターで、北海道や広島から仕入れたカキを琉球石灰岩に浸透した地下海水で蓄養する事業を始めている。カキのミネラルを豊富にして付加価値を高めることで、高級食材として中国などアジアのホテルや高級飲食店に輸出する。那覇空港の国際物流ハブ機能を活用し、2017年度は約40万個、18年度は150万~200万個の出荷を目標にしている。

 ジーオー社は安全な生カキを楽しめる飲食店を展開するゼネラル・オイスター(東京、吉田〓則代表取締役CEO)のグループ。全国から仕入れたカキを富山県の施設で海洋深層水を使って浄化後、浦添市の蓄養センターに運び込む。浄化法は特許を取得している。

 浦添市の蓄養センターは、沖電開発(知念克明社長)が市牧港にある同社の水産養殖研究センター内に建設した。9月から稼働し、一度に約2万個のカキの蓄養が可能という。同センターは、ミネラルを多く含む琉球石灰岩に浸透した地下海水にカキを約2日間浸し、安全で栄養価の高い生カキを生産する。

 鷲足社長は「水にこだわり、付加価値を高めた生カキを県内やアジアに卸したい」と話した。

※注:〓は王ヘンに「秀」